「自分の成果を含めた研究の背景」の書き方

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研究の背景の書き方は、論文のイントロダクションと同じで、より幅広い分野(一般的な背景)から自分の専門分野へと誘導していきます。

 

例えばこうです。

ホゲホゲ病はガン・糖尿病に次いで患者数が多く(適当です)、日本の成人男性の死亡理由の第1位である。しかし、現時点ではホゲホゲ病の根本的な治療方法は存在せず、進行を遅らせるXXX療法には多額の費用がかかり、精神的苦痛を伴う。こうしたことから、ホゲホゲ病の根本的治療方法の確立は喫緊の課題であるが、その原因や発症機構は不明であった。申請者はこれまでに、ホゲホゲ病の原因遺伝子としてHoge1を同定し、その機能について解析してきた。Hoge1は機能未知の転写因子であり、N末端にDNA結合領域を持っている。さらに、・・・

この文章を例に、以下の3つのポイントを見ていきましょう。

 

ポイント1:扱っている広い研究領域の重要性を簡単に述べる

ホゲホゲ病はガン・糖尿病に次いで患者数が多く(適当です)、日本の成人男性の死亡理由の第1位である。しかし、現時点ではホゲホゲ病の根本的な治療方法は存在せず、進行を遅らせるXXX療法には多額の費用がかかり、精神的苦痛を伴う。こうしたことから、ホゲホゲ病の根本的治療方法の確立は喫緊の課題であるが、その原因や発症機構は不明であった。申請者はこれまでに、ホゲホゲ病の原因遺伝子としてHoge1を同定し、その機能について解析してきた。Hoge1は機能未知の転写因子であり、N末端にDNA結合領域を持っている。さらに、・・・

まず、自分の研究を含めた広い領域における研究の重要性を簡潔に示します。これは、自分の研究は重要な研究の一部であることをアピールするためです。仮に、それほど重要ではない研究領域だと考えていたとしても(その場合、なぜその研究をしているか疑問ですが)、少なくとも申請書の中では「この研究分野は重要である」という立場を貫き通す必要があります。

 

中には、こうした本音と建前に違和感を覚えてしまい、歯切れの悪い文章を書く例が見られますが、申請者本人が自信のない研究に対して支援する人などいません。

 

繰り返しになりますが、多少無理があっても首尾一貫して研究領域の重要性を主張しないと話が始まりません。割りきってください。

 

しかし、重要性をアピールしすぎるのも考えものです。問題の重要性に対して、今回の研究計画がショボすぎる場合、逆効果になってしまいますので、あまり大風呂敷を広げずホドホドにすることも重要です。

 

ポイント2:これまでの研究の問題点をさらりと指摘する

ホゲホゲ病はガン・糖尿病に次いで患者数が多く(適当です)、日本の成人男性の死亡理由の第1位である。しかし、現時点ではホゲホゲ病の根本的な治療方法は存在せず、進行を遅らせるXXX療法には多額の費用がかかり、精神的苦痛を伴う。こうしたことから、ホゲホゲ病の根本的治療方法の確立は喫緊の課題であるが、その原因や発症機構は不明であった。申請者はこれまでに、ホゲホゲ病の原因遺伝子としてHoge1を同定し、その機能について解析してきた。Hoge1は機能未知の転写因子であり、N末端にDNA結合領域を持っている。さらに、・・・

次に、これまでの研究のどこに問題点があったかを示し、それを解決するためにこれまで研究してきたという話の流れにすることで、一般的な背景から専門的な背景の説明へと話を移していきます。問題となっている点は複数あるかとは思いますが、これまでの自分の研究で少なくとも一部が解決できた問題を選ぶべきです。

 

実際にやったことから、目的を書くので時系列的には順序が逆になっていることに注意してください。こうした技術は論文でもよく使われています。

 

話の流れによっては、もう少し詳しく問題点を指摘した方がよい場合もあります。しかし、問題点の指摘に終始するのは前向きではないので、審査員が問題点を理解できるようであればさらりと流してしまって良いでしょう。

 

ポイント3:これまでの自分の研究について述べる

ホゲホゲ病はガン・糖尿病に次いで患者数が多く(適当です)、日本の成人男性の死亡理由の第1位である。しかし、現時点ではホゲホゲ病の根本的な治療方法は存在せず、進行を遅らせるXXX療法には多額の費用がかかり、精神的苦痛を伴う。こうしたことから、ホゲホゲ病の根本的治療方法の確立は喫緊の課題であるが、その原因や発症機構は不明であった。申請者はこれまでに、ホゲホゲ病の原因遺伝子としてHoge1を同定し、その機能について解析してきた。Hoge1は機能未知の転写因子であり、N末端にDNA結合領域を持っている。さらに、・・・

最後に、自分のこれまでの自分の研究について説明します。自分のこれまでの研究を全て書くのではなく、これから申請する内容と関連する部分(ポイント2の「これまでの研究の問題点」との関係)を中心に書いていきます。

 

そして、次の「何が問題として残っているのか」とも関連しますが、これまでの研究で全てを理解できたという立場を取らないことが重要です。全てが分かったのならば、さらに研究をする必要はありません。

 

さじ加減として、7-8割は理解できたが、あと少しの理解が足りていない(解決できればバラ色の未来が待っているのに!)、というぐらいの感じで書くと、あとひと押しの支援を求めるという申請書本文とのつながりが自然になります。

 

学振DC1を申請する修士の学生や研究分野を変えて新しい研究を始めたばかりの人は、これまでの自分の研究についてあまり書くことが無いという状況があり得ます。そういう場合には、自分の研究でなくとも構いませんが、できれば研究室内での研究状況を書くことが望ましいでしょう。

例えば、以下の様な感じでしょうか

ホゲホゲ病はガン・糖尿病に次いで患者数が多く(適当です)、日本の成人男性の死亡理由の第1位である。しかし、現時点ではホゲホゲ病の根本的な治療方法は存在せず、進行を遅らせるXXX療法には多額の費用がかかり、精神的苦痛を伴う。こうしたことから、ホゲホゲ病の根本的治療方法の確立は喫緊の課題であるが、その原因や発症機構は不明であった。申請者の所属する研究室ではこれまでに、ゲホゲ病の原因遺伝子としてHoge1を同定し、その機能について解析してきた。Hoge1は機能未知の転写因子であり、N末端にDNA結合領域を持っている。さらに、・・・

多少なりとも自分のデータがある場合は、(仮にパッとしないデータであっても)そちらも含めて書いた方が良いでしょう。どんなデータでも書きようによってはポジティブに聞こえるものです。前向きに書く技法については、「ネガティブをポジティブに」を見て下さい。  

まとめ

1.広い研究分野の重要性を述べる

2.未解決問題を指摘し、それに対しての取り組みを述べる

3.これまでに、どこまで達成できているかを述べる

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