文章の内容を推敲する

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余計な表現を削除し、足りない部分を補う

推敲の原義は「推すか、敲くか」を考える、つまり表現を練り直すことですが、おそらく最初からそのレベルでの作業は行えません。実際にすることは添削、すなわち余計な部分を削り必要な語句を補う作業になります。特に、シンプルでわかりやすい申請書を目指す上では、添えることよりも削ることのほうが重要です。

頑張って書いた文章を削る作業は忍びないですが、本当に伝えたいものではない内容を削り、なくても意味が正確に伝わる語句を削ることによって、文章はより洗練されたものになります。どうしてもこれ以上削れないところが、その文章の骨格です。まずは「削れば削るほどいい文章になる」くらいの気持ちで文章を削ってください。

削っていく過程では文章のつながりは崩壊し、わかりにくくなってしまいます。「本当にこれで合っているのだろうか。元のほうが良かったのではないだろうか。」と疑ってしまうこともあるかと思います。途中の活性化エネルギーの高いところ乗り越えないと、新しい境地にたどり着けないのは化学反応でも同じです。骨格さえしっかりしていたら、削りすぎて舌足らずになっても、ほんの少し語句を補うだけで、文章は簡単に生き返ります。

論旨が明確か

背景から始まり、問題提起、研究の重要性、解決のためのアイデア、その根拠、具体的な研究方法・研究計画、予備データ、研究が与えるインパクト、までの一連の流れが明確に示せていますか?これがスラスラ説明できない、問題提起した内容と研究計画の内容が一致していないなどの場合には、申請書の構造に問題があります。

構造に問題がある場合は小手先ではどうしようもなく、大がかりな改稿が必要になります。拙くても構いませんので、まずは骨格をしっかりさせることを重視します。冒頭で説明した削る作業はまさに、この骨格(トピック・センテンス)を明確にする作業です。

トピック・センテンス(中心となる文)は段落の主題・主張を端的に述べた文のことです。それぞれの段落にトピック文を置くようにすると、読む人に各段落の内容をつかんでもらいやすくなるうえ、文章の論理展開を明確にできます。

文と文のつながりは論理的か

書いている側にとっては自明と思えることでも、審査員にとっては自明ではありません。特に広い研究分野における背景説明から、今回の狭い研究分野における背景説明へと移行する箇所や背景説明から問題提起をする箇所などは論理の飛躍が目立ちます。

上記で説明したトピック・センテンス以外の文章は

1. トピック・センテンスの内容説明
 (それとは、〜なのだ。)【定義】
 (それは一見〜だ。しかし、〜なのだ。)【対立の関係】

2. トピック・センテンスの理由説明
 (それは、〜だからだ)【因果の関係】

3. トピック・センテンスの具体例
 (例えば〜だ)【等しい関係】

となっており、これらはトピック・センテンスをより詳しく説明する(肉付けする)ための文章と言えます。文と文を論理的につなげるためには、接続を用いることが単純ですが、接続後の多用は文章をクドイものにします。トピック・センテンス(骨格)とサポート・センテンス(肉)の関係がしっかりしていれば、接続詞は必ずしも必要ではありません。

文・段落・節(見出し)の各単位において、

・1つのでは1つのアイデアだけを扱う。

・1つの段落では1つのトピックだけを扱う。

・1つのでは1つの話題だけを扱う。

ことを意識することで、各文の役割が明確になり、文章全体がわかりやすくなります。

非専門家でも理解できる内容か

内容をつめこみすぎない

背景や研究計画の説明では、内容が理解できる必要十分な情報量にします。情報が少なすぎて理解できないのは論外ですが、内容の評価に関係の無い情報が多いと、どこに注目して良いかわからなくなります。

具体的すぎる研究(実験)の条件・細かすぎる例外・本題から外れた内容の説明などは不要です。例えば、実験のあるパラメータを10でやるか20でやるかは、あなたにとっては重要な条件かもしれませんが、審査員にとってはどうでもいい情報です。審査員の立場にたって、必要十分な情報を見極めて下さい。

不必要なカタカナ語・略語を使わない

「聞き慣れないカタカナ語=なんだか格好が良い」という幻想は捨てるべきです。非専門家である審査員にとっては「聞き慣れないカタカナ語=意味がわからない」であることを理解してください。

適切な日本語が無い場合・省略せずに書くとすごく長い場合・省略せずに書いてもやはり意味がわからない場合、などはただし書きをつけて、明確に言葉の定義をするところから始めてください。

こうした単語の大部分は削ったり、平易な言葉に書き換えても問題がありません。そもそも、本当に書く必要があるのかどうかを見なおしてください。繰り返しになりますが、決して文章が格調高くなったりはしませんし、それで審査員が感心したりはしません。

指示語を多用しない

あなたにとっては自明でも、非専門家にとっては「これ」「このこと」などが何を指しているのかが十分に理解できないことがあります。直前の言葉を受ける場合はともかくとして、離れた言葉を受ける場合は理解が非常に困難になります。

指示語は繰り返しをさけるという意味で非常に便利ですが、文章の意味をあいまいにしてしまうデメリットがあることに十分注意してください。

形容詞ではなく、数字で表現する

「大きい」を「3mの」としたり、「燃費が向上した」を「燃費が20%向上した」のように具体的な数字を入れて説明することは、審査員が内容を想像しやすくなり評価につながります。

成果をアピールするところや問題提起のところは具体的に書く価値があります。この研究の結果、どういう点が明らかになったか、何が問題でどれくらいの水準での解決を目指すのかなどについては数字を入れて説明すると効果的です。ただし、実験の条件など不必要なところを具体的にしても審査員にとってはどうでも良いことです。また、数字の入れ過ぎは逆効果になります。

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