ABT法は文章の要素の構造を考えるPREP法などよりもさらに細かい分同士の構造についての方法論です。
文章構造における型のあれこれ
1. PREP法
2. DESC法
3. ABT法
4. SDS法
AAA法とDHY法
コーヒーを飲んだ。そして、寒い朝だ。そして、公園には人が歩いている。そして、あちらでは体操をしている人がいる。そして、今日は大切な日だ。…
「そして(And)」が延々とつづく形で文が構成されています。これは事実をありのまま列挙するという意味では全く問題ありません。しかし、そこには「ストーリー」がなく退屈です。
この分野では少なからぬ研究がなされてきました。それにもかかわらず、多くのことは未だ、それでも、こうした努力は無駄では無かったと言えます。しかしながら、その過程は必ずしも正しかったとは言い切れず、驚くべきほどの犠牲が払われてきました。
「それにもかかわらず(Despite)、しかしながら(However)、それでも(Yet)」と話題の急転換を繰り返して読者を振り落とすと共に、大仰な表現など過剰なまでにドラマティックな「ストーリー」は情報量が多すぎで混乱を招きます。
申請書に必要なものは、物語性を全て排除した記述でもなく、過度に物語的な記述でもありません。適度に物語があり、話題の自然な展開です。そこで活躍するのがABTです。
ABT(… And … But … Then …)法とドブジャンスキー・テンプレート
「そして(And)、しかし(But)、だから(Then)」の順で文章を展開すると極めて自然な流れになります。
お金は人類の歴史を語る上で欠かせない存在です。そして、お金の移動を記録するための道具として簿記が発明されました。しかし、簿記の発明は文字よりも先であり、文字発明以前の簿記法についてはよくわかっていません。だから、本研究では文字発明以前の簿記法について調べようと思います。
内容はともかく、ストーリーがはっきりとしているのがわかるかと思います。このABTテンプレートは極めて有用であり、多くの物語で採用されています。
あるところに桃太郎がおりました。そして、桃太郎は立派な青年に成長しました。しかし、鬼が村を荒らしまわるようになりました。だから、家来をつれて鬼退治にでかけました。
冴えない少年のび太がいました。そして、今日も遊びほうけています。しかし、宿題の期限は明日までということに気づきました。だから、ドラえもんに秘密道具を出してもらい、助けてもらいました。
では、申請書においてこうした物語(申請書の核となるもの)はどのように見つけたらよいのでしょう。簡単なテンプレートとして、この本ではドブジャンスキー・テンプレートを紹介しています。
私は( )について研究します。なぜなら、( )においては、何事も、( )の観点から見なければ意味をなさないからです。
あなたが扱っているテーマについて考えてみればすぐに例文を思いつくことでしょう。