学振や科研費の申請では書く欄が小さいため、意図しない余白(どうしても埋められない部分)があることは少ないかも知れません。逆に言えば、意図しない余白がある項目は悪い意味で目立ってしまうということです。
以下に示すように、同様のことを考えている人は他にもいるようなので、おそらく多くの審査員は多かれ少なかれ感じていることなのでしょう。
ほぼ全て(少なくとも90%以上)の申請書で、どの項目の欄も文章を最後の一行まで、あるいは、二、三行程度を残しただけで、ほぼびっしりと埋めていることです。研究計画が具体的に書かれていれば、別に最後の一行まで埋める必要はないと考える審査委員ももちろんいると思います。しかし、私個人的には、科研費の申請書に限らず、びっしりと文章が埋まった書類を見ると、それを書いた人の熱意がひしひしと伝わってきて、読んでいて楽しいです。逆に言えば、空欄が目立つ申請書はすごく目にとまります。自分の研究計画をアピールする点はいくらでもあるだろうに、それを自ら放棄しているような申請書は、正直なところ、誰が読んでも印象はかなり悪いと思います。この人は本当に研究費が欲しいのだろうか、それとも、所属機関の事務や研究者の上司にそそのかされて嫌々応募しているだけでは…と勘ぐりたくもなります。
吉田晶樹(地球惑星内部物理学)のウェブページ http://www.yoshida-geophys.jp/research_fund.html
ただし、このこととは別に、読みやすくするための「戦略的な余白」は必要です。
まとめ
・戦略的に余白を空ける場合以外は、できるだけ余白をなくすようにする。
・業績欄(研究遂行能力の証明欄)以外で余白が生じることは考えにくいので、余白がある場合は内容を見直す。