ここは提案した解決策が有効であるか、実行可能かであるかの根拠を示すところです。どんなに魅力的な仮説でも、証拠がなければ信じてもらえません。逆に言うと、証拠(傍証)があれば申請書はグッと現実的になり審査員ウケがよくなります。
1. 研究計画を含む広い研究領域の一般的な説明、重要性
2. 研究計画に関する狭い研究領域についての説明
3. 当該分野でこれまでどのような取り組みがなされており、その結果、何がわかっているのか
4. こうしたこれまでの当該分野における進展の中で申請者らはどこに貢献してきたか
5. こうした努力にも関わらず、未解決な点は何か
6. なぜそれは問題として残されているのか
7. その問題が解決されないと何が問題なのか、あるいは、それを解決するとどのような良いことがあるのか
8. どうすればそれを解決できると考えたのか、そのアイデアならば上手くいくと考えられる根拠は何か
9. それにより、どうなるのか
10. そのアイデアを実行する上での障害は何か
そのアイデアならば上手くいくと考えられる根拠は何か
すでに書いたように、アイデアには根拠が必要です、それが予備データでもよいですし、他の文献や申請者のこれまでの研究成果でも良いですが、なるべく公知のものではないものの方が望ましいです。
これらが、研究する価値がないテーマであるのは明らかですよね。しかし、このロジックは形を変えてあちこちで見られます。くれぐれも注意してください。この、「ここには穴が無いから、穴を掘る」と
とくに「ニンジンが空を飛べば…」や「新薬が発見できれば」などは、実際そうであれば大発見なのですから、良さそうに思えますが、「そのアイデアがうまくいくと考える根拠」が示せないので不適当なのです。
ここで示す証拠・傍証・根拠はできれば自分の未発表データに基づくものであることが望ましいのですが、他人の論文からのデータでも大丈夫です。ただ、その場合でも、解釈や再解析など自分のオリジナリティがどこかに反映されていることが望ましいでしょう。
第三者の論文を引用して補強する
申請者のアイデアがすでに誰かによって試されているのであれば、それはかなり強力な証拠になります。根拠となる論文は1つだけより、2つ3つあった方が良いでしょう。直接は主張されていないことでも、申請者による結果の再解釈の結果、主張が支持されるのであれば、それでも構いません。ただし、ずばりそのものの方法が、申請者の研究領域でなされているのであれば、単なる二番煎じになってしまいますのでダメです。
- 他の分野、対象でうまくいっている
- 断片的なアイデア自体はすでに試されている
- 捉え方、考え方を変えればうまくいきそうである
予備データを用いて補強する
自分で立てた仮説のもと実験した結果、予想通りの結果になりそうであることを示すことによって、仮説の方向性が正しいものであることを主張します。具体的な予備データは「研究計画」で示しますので、ここでは個別のデータを細々と説明せず、全体の結論を軽く説明するにとどめます。
また、自分でとった予備データは証拠として非常に強力ですので、ぜひ図を用いて説明しましょう。ただし、論文やプレゼンで用いた図そのままでは情報量が多すぎて不適切です。申請書における図は論文とは異なります。多すぎる情報・小さすぎる字は読み手には伝わりません。伝わらないのであれば、載せていないのと同じです。せっかく貴重なスペースを使って図を載せるのですから、絶対に伝えたい情報に絞り、なるべくシンプルに伝えて下さい。多くの場合、申請書用に図を新たに作り直す必要がありますので、コピペは極力避けるようにしましょう。