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学振・海外学振を獲得することの経済的メリット

学振(DC)はメリットだらけですが、学振PD・海外学振はメリットもデメリットもあります。それでも全体的に見ればメリットの方が遥かに大きいです。

学振(DC)

メリットはいっぱいありますが、本質的なデメリットは特にありません。なれるのであれば、なった方が良いです。

メリット

  • 給与(20万/月)が2年〜3年にわたって貰える。(+240万/年)
  • 授業料免除を申請すれば半額免除は通る。(+25万/年)
  • 研究費でパソコン等を買えるので、自費で買う必要がなくなる。(+10万/年)
  • 3割控除 + 勤労学生控除(学振1年目)でますますお得。
  • 学振経験者が優遇される他の助成金もあり(例えば、中島記念国際交流財団 日本人若手研究者研究助成金)。
  • 履歴書(職歴・グラント獲得歴)にかけるので、後々にも有利。

デメリット

  • 親の扶養控除から外れるので、独立生計になり手続等が面倒。
  • 国民健康保険に加入する必要が出てくるので面倒。
  • DC1で採択されてしまうと、その後、油断したり驕ったりする人が稀にいる(経験的にDC2よりDC1の方がその後伸び悩む人の割合が高い)。

申請書作成に100時間かけた時の時給換算

貰える金額が一番少ないDC2でも、500万以上のプラスです。100時間かけたとしても、時給5万円。期待値計算しても5万 x 20% = 時給1万円。こんなバイトなかなか無いです。これに社会的ステータスも付与されるので、書かない手はないでしょう。さらに+100時間しても時給換算で十分に高いです。

申請書を書くのに200時間もかけたら、かなり完成度の高い申請書になるはずで、採択可能性も大きくあがることでしょう。頑張ってください。私が学振を書いた時も、これを計算してモチベーションを維持していました。

学振(PD)

正直なところ、学振PDに関しては金銭的な面でのメリットは薄いです。しかし、その後につながりやすい(能力の証明)という意味で、学振PDには価値があります。

メリット

  • そこそこの給与を貰える(36.2万/月) (CRESTなどで雇われるよりかは安い(ボスの裁量次第)が、もっと安い給与のポスドク・ポジションもあるので、恵まれている方ではある)
  • 自分の研究を遂行できるので独自性を発揮でき、研究者の顔が見えやすい(プロジェクトに組み込まれてしまうと、下手すると成果はボスに持ってかれる)
  • パソコン等は自費で買わずに済む(+10万/年)
  • 何だかんだ言っても学振PDは評価されるので、その後に有利になる
  • 学振経験者が優遇される他の助成金もあり(例えば、中島記念国際交流財団 日本人若手研究者研究助成金

デメリット

  • 科研費のエフォートの60%以上が持っていかれる(昔は応募できなかったことを考えると十分に改善しています)
  • プロジェクトで雇われるポスドクだと交通費や保険などが出るのに、学振PDは出ない
  • 子供を保育園に入れにくくなる(雇用契約が結ばれているわけではないので)
  • アカデミックポジションに就くには学振を取っただけでは足りないので、全員がその後ハッピーになれるわけではない。民間への就職の最適なタイミングを失う人もいる

申請書作成に100時間かけた時の時給換算

3年で1300万以上の収入です。100時間かけたとしても、時給13万円。期待値計算しても13万 x 12% =約 時給1万5千円。学振よりも期待値は高いです。。こんなバイトなかなか無いです。これに社会的ステータスも付与されるので、書かない手はないでしょう。さらに+100時間しても時給換算で十分に高いです。

ただ、内容を選ばなければほとんどの人が(少なくとも最初の1回は)ポスドクになれるので、本来であれば学振以外のPDの給与平均との差分をもとにメリットを論じるべきでしょうが、そうするとほとんどメリットはないという結論になるでしょう。また、PDになるともはや仕事なので、バイトの時給の比較よりも、初任給との比較の方が正しいのですが、そうなると福利厚生面や安定性の観点からは比較になりません。

海外学振

メリット

  • 研究費と給与が一括支給なので、実質的な給与が40万を超える(アメリカ等の場合)
  • 交渉次第では、受け入れ先で保険をカバーしてくれるので給与の目減りがない
  • 評価されるにもかかわらず、応募者数が少なく採択率が高い
  • 昔よりも支給額が上がっている一方で競争率は下がっている

デメリット

  • 円建てでの支給なので、為替レートの変動によっては大きく目減りする。また、円をどうやって現地通貨に換えるかは頭の痛い問題(現金は、キャッシングして繰り上げ返済が一番レートが良い、はず。)
  • 2年しかないので、PD期間中に海外学振が切れるケースが多く、その場合は現地雇用になる(不安定)
  • 海外ではPDを長く続けられてしまうので、帰国のタイミングが難しい(海外学振に限らず、ですが)
  • 似たような話で、面接や学会参加もいちいちお金がかかるので、日本とのつながりが薄れ、職探しも難しくなる
  • アメリカやスイスなど物価水準が高いところでは、海外学振といえどもそれほど高給ではない

申請書作成に100時間かけた時の時給換算

2年で1000万程度の収入ですので、時給10万円です。しかも採択率が約15ー20%と高いので、期待値計算すると、1.5ー2万円とかなり高い額になります。

海外に行くと、いろいろチャンスが増えますし、人付き合いやラボ運営などで学ぶ点は多いはずです。余談ですが、海外にいったら同僚や指導教官にグラントの申請書を貰ってコレクションしておくと良いでしょう。英語で書かれた長大な申請書のコレクションは後で必ず役立ちます。

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