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【これからの研究計画】研究目的・内容 の書き方

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(2) 研究目的・内容(図表を含めてもよいので、わかりやすく記述してください) ① 研究目的、研究方法、研究内容について記述してください。② どのような計画で、何を、どこまで明らかにしようとするのか、具体的に記入してください。③ 共同研究の場合には、申請者が担当する部分を明らかにしてください。④ 研究計画の期間中に異なった研究機関(外国の研究機関等を含む)において研究に従事することを予定している場合はその旨を記載してください。

ここからが、いよいよ学振申請書の本番です。これまでの研究で成果をだしたが、まだわからない部分が残っている、だから学振研究員として、そこを明らかにしたい。というのが基本コンセプトです。

研究目的

この研究で何をするのか、すなわち研究目的、を1-2行程度の短い文章で説明します。研究の背景のところで、問題点を指摘し、それに対する解決のアイデアも示しているので、そのアイデアを使って問題を解決することが目的となります。繰り返しのようにも思えますが、研究期間内に一定のところまで行けるように研究の背景で示した対象からさらに範囲を狭め、具体化したものが目的となります。完全に繰り返しにしてしまうと扱う範囲が広くなり焦点がボケてしまいます。

直前の研究のアイデアを具体的な問題へと落とし込み、それを使って何をどうするのかをまとめます。具体的に何をするのかについても書いた方がよいでしょう。この辺は【現在までの研究状況】研究目的と同様です。

手段の目的化に気をつける

手段の目的化はよく言われ有名ですが、いざ自分のこととなると気づかない人が多くいます。

本研究は、XXX望遠鏡を使って深宇宙を観察し、YYYを明らかにすることを目的とする。
本研究の目的は、XXX望遠鏡を使って深宇宙を観測することである。
新しい手法を使うと新しいことがわかりやすくなりますが、その手法を使うことを目的にしてしまうと本来の目的を見失いがちになってしまいます。
冒頭に「本研究の目的はXXXである」と書くパターンがあります。海外流の結論を先に示すというやつです。個人の好みの範疇だとは思いますが、私はあまり好きではありません。こうした、いきなり結論を示すやりかたはプレゼンなどインパクト勝負の時には有効かもしれません。あるいはエレベータピッチのように時間が無い時も有効でしょう。これは倒置による強調表現の一種とも捉えることができます。本来の順番を変えて強調するのですから、当然文章の流れは不自然です。背景で研究目的については十分に伏線を張っているならともかく、これからの研究計画の背景はたかだか半ページですので、もう少し丁寧な説明が必要であり、ワンクッション置いてから目的を説明した方が良いのではないかというのが、私の意見です。

研究方法、研究内容

研究目的の「具体的には~」で挙げた項目を見出しとして3つ程度の研究の小項目(大項目は研究目的)について研究方法や研究内容を説明します。注意書きにある「どのような計画で、何を、どこまで明らかにしようとするのか」に相当する内容です。

どのような計画で

本研究計画の目的(大目的とします)を達成するために、課題をいくつかの小さい課題に分けて一つずつクリアしていきます。その一つ一つの課題の目的(小目的)を達成するための手段や手順、ロードマップを問われています。

ここであまり具体的な手法を書かないようにしましょう。分野外の審査員にはどうせ伝わりません。

何を

何を対象にするかを明確にせよということです。「~を明らかにする」「~であることを確認する」と言っても実際にはある条件、ある対象に範囲を絞ってということになるかと思います。なるべく具体的な問題に落とし込むためにも研究対象は明確にする必要があります。

どこまで

「何を」が研究のスタート地点を意味するとすれば、「どこまで」は研究のゴール地点を意味します。研究に終わりは有りませんので、本研究におけるゴールを明確にしてもらわないと、研究が成功なのか失敗なのかを判断できなくなってしまいます。あなたの研究が成功したかどうかを他者が判断するのは、あなたが定めた研究のゴールが達成できたかどうかで判断されます。「何が示せたらこの研究は成功だと言えるのか」を自分で設定し、それに向けてのロードマップを描く必要があります。ゴールを設定せずに研究を始めると行き当たりばったりになってしまいます。走ること自体が目的のドライブなら、目的地を決めないこともありでしょうが研究はドライブではありません。走り始める際に目的地を決める必要があります。

ここは最も書けていない箇所の一つです。申請者自身がゴールを設定することに慣れていないせいかなと思いますが、目的を決めて研究する癖をつけておくと無駄打ちが少なくなります。自分自身でゴールを決める際に、すごく遠い所(示すのが難しいこと)にゴールを設定すると期間内に示すことはできず現実的な研究計画とはなりませんし、すごく近いところ(簡単に示せること)にゴールを設定するとショボい研究計画となって評価は得られません。期間内にたどり着ける最長(もっと言うとたどりつけると信じてもらえる最長)のところをゴールに設定する必要があります。そしてゴールに到達できる可能性があることを示す根拠として、過去の実績や予備データを使うという流れになります。

申請者が担当する部分

理論と実験の組み合わせや大きいプロジェクトの一部を担当する場合には記載が求められます。全てを担当したからすごいと勘違いせず、実際に自分が担当する部分について明確にしてください。この事自体は評価にニュートラルですが、全体の中における自分の担当箇所の位置づけを明確にする必要があります。

異なった研究機関において研究に従事することを予定している場合

研究機関を変えるということは、基本的には研究内容が変わるということであり、なぜ必要なのかについて納得のいく説明しなければいけません。一般的に、研究内容が変わらないなら研究機関を変える理由はありません。研究を進める上で必須であるとか、受け入れ教員の異動が決まっている(申請時点で決まっていることは稀でしょうけど)などの理由を簡単にでも説明しておく方が良いでしょう。簡単に説明すれば十分だと思います。

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