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【研究者を志望する動機、目指す研究者像、自己の長所等】 の書き方

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5.【研究者を志望する動機、目指す研究者像、自己の長所等】

 日本学術振興会特別研究員制度は、我が国の学術研究の将来を担う創造性に富んだ研究者の養成・確保に資することを目的としています。この目的に鑑み、申請者本人の研究者としての資質研究計画遂行能力を評価するために以下の事項をそれぞれ記入してください。

① 研究者を志望する動機目指す研究者像、自己の長所

② その他、研究者としての資質、研究計画遂行能力を審査員が評価する上で、特に重要と思われる事項(特に優れた学業成績,受賞歴,飛び級入学,留学経験,特色ある学外活動など)

学振DCは研究キャリアの最も初期段階の大学院生が応募するため、業績で差がつきにくく、また、研究者としての資質も見えにくくあります。そこで、就職活動における自己PRのようなものを書かせて評価するための情報を増やそうとしています。

研究者を志望する動機

若いあなたには選択可能な職業はたくさんあります。そうした中でなぜ、研究者を志望するのでしょうか?基本的には思ったことをそのまま書けばよいのですが、自分のことばかり語るのは考えものです。

指導教員を見ていると楽そうだから、自分がやりたい研究ができるから、就職活動したくないから、単純に実験がおもしろいから、名を残したい、

個人としての考えは誰にも否定できません。どんな理由で研究者を目指そうが(悪いことをしない限り)それは個人の自由です。しかし、そのことを公言して採択の可能性が上がるかどうかについては考えないといけません。

一般論として、税金を投入している制度である以上、社会への還元、人類の知への貢献、新しい価値の創造など何かしらの貢献が求められます。もちろん、上記のように考えることと社会に貢献することは両立可能ですが、社会への貢献に対して熱い思いを持っている人に学振を採ってもらいたいと考えるのは自然な感情だと思います。

本音を隠して建前を書けとか、採択されるためなら嘘でもなんでもいいから聞こえの良いことを書けと言っているとは理解して欲しくありません。誰しもが持っている人類社会への貢献の気持ちを主張してもらいたいと言っているのです。一方で、やたらと熱血で「私しか世界を救えない」的な自分を客観視できていないような動機を主張されるのも困ってしまいます。

人類は大問題を抱えていて、私しかこの世界を救えないという使命感から…、XXXを明らかにするのは人類に課された指名である、私の類まれなる才能をつかって人類を新たなステージへ…

理想は、研究者という職業(生き方)は自分がやりたいことと、社会への貢献を両立可能である。というような主張です。どちらかだけに偏ることなく、バランスを取りたいところです。

目指す研究者像

どんな研究者になりたいか、です。世界的に活躍する研究者、ものごとを柔軟に考えられる研究者、チームで挑戦する研究者、新しい視点から誰もやってこなかったことに取り組む研究者、多くの研究者を生み出す研究者…。よくある理由はこんなところでしょうか。どういった理由なら良くて、どういった理由はダメというのはありませんが、なぜそれが理想だと考えるのかは説明しないといけません。

こういった「理想の研究者」を目指す理由は2つで、1つは自己実現です。なりたい自分になるというものです。もう1つは「理想の研究者」になれば社会に貢献できるからです。前者は個人的な事情によるものですから、大切なこととはいえ、そればかりを主張するものでもありません。「理想の研究者」になることで問題解決できるから、その第一歩を踏み出すために学振研究員を目指すというスタンスで書いてください。

自己の長所

いくら、理想の研究者像をはっきりさせたところで、それが自分の長所と乖離していては意味がありません。一人で集中してコツコツ実験することを強みとする研究者なのに、理想の研究者像はチームで協力しあって物事を進めるだと、どうにも整合性がありませんし強みを活かし切れていません。

自分に無いものに憧れる、自分に無いものを目指すという姿勢は重要ですが、まずは冷静に自己分析をし、得意なフィールドで戦うことを心がけましょう。チームで協力することが一方的に素晴らしいというわけではありません。いろいろなタイプの研究者がいて良いのです。自分の長所を

評価する上で重要と思われる事項

どんなに自分の長所をアピールしても、具体的な理想の研究者像を示しても、動機を説明しても行動を伴っていなければ説得力に欠けます。これまでの主張は

「私は自分のXXXという長所を活かして、YYYな研究者となり、ZZZに貢献したい。」

という物です。では、それに向けて何をしてきたのか(何をしている)のでしょうか?「研究者になりたい」、「~に貢献したい」という思いが強いのであれば、それに向けて何か行動してきたはずです。それは何でしょうか?

学業成績(→研究者になるための素養は身につけている主張の裏付け)、受賞歴(→研究者としての素質の片鱗を示すもの)、飛び級入学(→研究者の素質の片鱗を示すもの)、留学経験(→国際的に活躍等を理想の研究者に掲げていた場合は、それを目指した第一歩)、特色ある学外活動(→何かに打ち込み、結果を出し切る能力。今度はそれを研究に向かわせるという主張)などが例として挙げられています。英語、資格、インターン(早くから研究室や企業に出入り)、論文、学会、ネットワーキング、など自分が研究者としてやっていける(優秀である)ことを示す事例を挙げてください。

こういったものが何もないという相談をしばしば受けますが、そういう場合でも書きようはあるものです。多面的に物事を見ることを意識して他分野の勉強会に積極的に参加(証拠なし)、他分野の論文も積極的に読み勉強熱心(証拠なし)、他分野があつまる学会・研究会に積極的に参加しディスカッション(証拠なし)などは一例です。もちろん嘘であってはいけませんが、賞や成績のように記録に残るもの以外でも良いのです。何かしらはあるでしょう?

もし研究者になりたいと思っているにも関わらず本当に何も無いのであれば、向いていないのかもしれません。研究者になりたいという思いは、「やれば出来るんだけど、まだ本気を出していないだけ」とか「いつか宇宙にいきたいなあ(それに向けての努力は一切しない)」と同程度の話なのかもしれません。どうでしょうか?

まとめ

これらをつなげると以下のような主張になります。自己の長所、目指す研究者像、動機、評価する上で重要と思われる事項はすべてつながっています。そこを強く意識しましょう。

申請者の長所を活かしたこれまでの取り組み実績により着実に成長しており、これによって理想の研究者像へと近づくことは、自己実現だけでなく社会へ貢献することにもつながる。
ここに、そう主張できる根拠や実績、より具体的にどうするつもりなのかを説明すればよいでしょう。
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