ここは小論文として捉えることも可能であり、「なりたい自分を目指す成長ストーリー」を語るパターンが使えます。
5.【研究者を志望する動機、目指す研究者像、自己の長所等】
日本学術振興会特別研究員制度は、我が国の学術研究の将来を担う創造性に富んだ研究者の養成・確保に資することを目的としています。この目的に鑑み、申請者本人の研究者としての資質、研究計画遂行能力を評価するために以下の事項をそれぞれ記入してください。
① 研究者を志望する動機、目指す研究者像、自己の長所等
② その他、研究者としての資質、研究計画遂行能力を審査員が評価する上で、特に重要と思われる事項(特に優れた学業成績,受賞歴,飛び級入学,留学経験,特色ある学外活動など)
1.夢の宣言
私は日本学術振興会特別研究員になることを通じて○○○になりたい!と夢を宣言します。多くの場合は研究者と書いておけば無難ですが、URAとか産学官連携のファシリテーター、科学政策の決定者などもあり得るでしょう。
2.志望する動機
なぜ研究者(あるいはその他)になりたいのか。その夢を抱いたいきさつを述べる。自分を変えた経験や体験など具体的に。ここは過去の自分についての記述。ここに4や5の内容を持ってくるのも効果的。
3.目指す研究者像(目標)
具体的にどういう自分になりたいのか。その目標に到達するための具体的な方法を述べる。現在から未来の自分についての記述
4.自分の長所(資質)
3で書いたことに絡めて、そうした目標に到達するためには○○○といった能力・経験が必要だと考えられるが、自分はそれにふさわしい(そうした経験を積んできた)。ここでは、自分の長所とそれを端的に示す、過去の実績や現在取り組んでいることについて述べ、自分が日本学術振興会特別研究員にふさわしいことをアピールする。
5.その他の特記事項(資質)
その他、自分の長所(性質)ではないものの、経験や資格、行動力を示すことで、研究者としてふさわしいこと、あるいは研究者になりたいという熱い想いがあることをアピール。過去の実績または現在取り組んでいることが中心であり、これから○○○したい(する)といったものはあまり意味がない(誰でも言うだけならできるし、本気ならすでに取り組んでいるはずだから)。
6.まとめ
日本学術振興会特別研究員としてどうしたいか(どうするつもりか)に対する未来への決意表明でまとめる。
コメント
研究者になりたいという夢や抱負、未来が実現するかどうかは、それを追いかけるあなたの想いの強さや能力に左右されます。
つまり夢や抱負、未来が実現しそうであることを示す根拠として、今のあなたが示すことが可能なものは限られており、過去の実績やエピソードから示されるあなたの実力や性質(長所)の他には、研究者になりたいという動機付け(想いの強さ)くらいなものです。
あなたが研究者になりたいという夢を実現するための能力を有しており、なおかつ、十分に熱い想いを持っていることを示すために、自分を変えた経験・出来事と、それを軸とした「経験による成長ストーリー」を使うのです。自分を変えたあの経験や出来事によって、研究者としての未来が動き始めたという主張に持っていきます。