科研費・学振本『できる研究者の科研費・学振申請書』発売中です!半分以上は新しい内容で、具体的なテクニック満載です。申請書のお供にぜひご一冊どうぞ。

【研究目的、研究方法など】本研究の学術的背景 の書き方

ROBUST Japan

1 研究目的、研究方法など 本欄には、本研究の目的と方法などについて、3(4)頁以内で記述すること。冒頭にその概要を簡潔にまとめて記述し、本文には、(1)本研究の学術的背景、研究課題の核心をなす学術的「問い」、(2)本研究の目的および学術的独自性と創造性、(3)本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか、について具体的かつ明確に記述すること。(本研究を研究分担者とともに行う場合は、研究代表者、研究分担者の具体的な役割を記述すること。)

いきなり本題に入っても読み手はついていけません。まずは研究の背景を簡単に説明しましょう。背景には自分の研究分野および周辺分野を含めた広い背景(一般的な研究領域の背景)と自分の研究内容を説明するための狭い背景(専門的な研究領域の背景)があります。

砂時計のように、広い背景から説明を始め自然な流れで狭い背景へとつなぎ、その先の自分の研究へとつなげます。実際にこの辺を書く時には具体的な研究課題から逆算するように考えていきます。

広い背景(一般的な研究領域の背景)

科研費は区分ごとに審査され、過去の審査委員名簿は公開されています。自分が応募しようとしている区分の審査員だった人のリストを見てみましょう。それらの人たちが無理なく理解できると想定されるところから説明を始める必要があります。簡単すぎるとスペースの無駄使いで冗長になりますし、難しすぎるとついていけません。

また、分野外の審査員に全てを理解してもらうことは不可能ですので、今回の研究課題を理解するために必要なポイントに絞って背景を説明しましょう。あれもこれもとなるとピントがボケますし、読む気を無くします。さらに言うと研究課題に関わる内容であっても、いくつかの例外や厳密にはそうとも言い切れないなどの細かな点は省いてしまうことが重要です。より正確には今回の研究課題をそこそこ理解する(あるいは理解した気になる)ために必要なポイントに絞って背景を説明しましょう。

説明すべき内容は

  • 今回の研究を含む広い分野はどういった分野であり、なぜそれを研究することが重要なのかを端的に示す
  • 申請者を含めてこの分野ではどのような研究がなされてきて、どういった状況なのか、現在の潮流はどういったものか

の2点です。特に以降では、この研究をこれまでの研究と比較して位置づけてその特徴を示す必要がありますので、ここ段階から逆算して布石を打っておく必要があります。

例えば、

本研究は、申請者の研究アプローチを新たな分野に適用するものだ → 申請者のこれまで研究アプローチとその有効性を広い背景で、適用対象の分野の背景を狭い背景で説明する
本研究は、他で利用されてきた研究アプローチを当該分野に適用するものだ → 申請者のこれまでの研究アプローチと他で利用されてきた研究アプローチの比較と当該分野の背景説明
本研究は、いままでの解析をさらに高精細にするものだ → これまでの解析精度がどの程度であったのか、それによりどこまで明らかになったのか

のように背景で書くべきことは本研究をどう位置付けたいかで自ずと決まってきます。

狭い背景(専門的な研究領域の背景)

狭い背景ではより専門的な背景、すなわち本研究課題の内容をピンポイントで理解するために必要な情報を提供します。実際のところは広い背景と狭い背景はシームレスにつながっているので、明確に区別できるものであはありませんが、こちらではより具体的な研究と絡めた説明が求められます。

とくに、狭い背景では、何がわかっていて何がわかっていないかを明確にすることが大切です。何もわかっていないと書いてしまうと、研究のとっかかりが無くなってしまいますし、勉強不足感が出てしまいます。ここまではわかっているけど、ここはわかっていない、と言ったようにわかっていないことの範囲を限定してしまうと書きやすい気がします。

学振版の研究の背景も参考にどうぞ。

お買い忘れはございませんか?

上位の「科研費の書き方」へ戻る

タイトルとURLをコピーしました