2 挑戦的研究としての意義(本研究種目に応募する理由) 本研究種目は、これまでの学術の体系や方向を大きく変革・転換させる潜在性を有する挑戦的研究を募集するものです。本欄には、
- これまでの研究活動を踏まえ、この研究構想に至った背景と経緯
- 学術の現状を踏まえ、本研究構想が挑戦的研究としてどのような意義を有するか
について1頁以内で記述すること。
基盤や若手では背景説明→問題点の指摘→何をするか(目的)→どうするか(方法)ときてから、なぜその方法でうまくいくと考えるのか(経緯と準備状況)という流れであったのに対して、挑戦的研究では何をするか(目的)→どうするか(方法)ときてから、背景説明→問題点の指摘→なぜその方法でうまくいくと考えるのか(経緯)という流れになっています。
背景説明がないままに目的を説明し、方法の妥当性を示さないまま研究方法を説明するというかなりトリッキーな構成です。
研究の背景と経緯(現状)
基本的には背景+本研究の着想に至った経緯と準備状況を書くことになり順番は異なるものの中身はほぼ同じですが、挑戦的研究という特性上、これまでの予備データ(準備状況)よりも、大きな変革を起こしうるかという将来性と、いかにチャレンジングな研究であるかという挑戦性に重きをおく書き方にしなければなりません。基本的な流れは
- この分野ではこれまで何がわかっていたのか。そして何がわかっていなかったのか(問題点の指摘)。
- わかっていないことは、なぜ問題なのか。どのような弊害があるのか(重要性)。
- この問題はそのように重要であるにもかかわらずなぜ解決されてこなかったのか(挑戦性)
- それに対して申請者はどのようにすればその問題が解決できると考えたのか
- その根拠はなぜか
- この問題が解決されればどのようなバラ色の未来が待っているのか(将来性)
- その根拠はなぜか
となります。ここでのポイントは「これまでの研究活動を踏まえ」の文言です。挑戦的な研究ですのでうまくいくかどうかわかりません。そうした時には研究のスタートとなる部分だけでも、しっかりとしたものでないと、無駄なリスクを抱え込むことになります。
すなわちここで指摘する問題は自分の研究の延長であるべきであり、全く新規のテーマではいけないということになります。
挑戦性と将来性は次の挑戦的研究としての意義に関わってきます。これらは不可分ですので、一続きの内容として書いても良いですし、項目ごとに分けても良いでしょう。