申請書は前向きに書くに限ります。どんなに科学的に正しくとも、否定的な語句が並ぶとそれだけで読む気はなくなっていきます。同じ内容を表現する場合でも、言い方というものがあります。ここではネガティブ・ワードとその言い換え例を示します。
ある実験が予想通りにいかなかったということは、その可能性を排除したことにつながります。実験自体が失敗して判断すらできない場合でも、実験条件を検討することが研究目的だったと解釈すれば、条件検討をすでに行っている(その結果、うまくいかない条件の一つがわかった)という前向きの解釈が可能です。
基本的な考え方はネガティブな結果はポジティブなものに変換し(やり過ぎ注意)、変換できないものは記載しない、となります。しかし、ネガティブな結果をあえて書いた方が良い場合もあります。
あえてネガティブな結果を入れる
ネガティブな結果を書くことが許されるのは後にフォローが入る場合のみです。あとにフォローが入るのであれば、それは良いことをだけを書いていないという印象につながりますので、研究の深みや審査員の考える実現可能性の向上につながることが期待できます。
具体的には、失敗した部分を克服できたか、これからの研究でその問題を解決するという書き方であれば、ネガティブな結果も良いスパイスとなるでしょう。特に、これまでの研究成果の最後で課題を示し、これからの研究計画の導入とする作戦は、これまでの研究とこれからの研究がシームレスにつながるので書きやすいと思います。
こういった場合でもなお、ネガティブな結果の表現には細心の注意を払ってください。