具体的に書くことは良いことだ!?
申請書のコツとして「具体的に書く」というものがあります。
のように、具体性が無いものは読んでいて結局何をするのかがわからないため、良くないというものです。これはその通りなのですが、こうした指摘をすると以下のように書いてくる方がいます。
これらは悪い意味で具体的です。例えば上記において24℃であろうが25℃であろうが審査員にとっては内容を理解し・評価する上で大して重要ではありません。分野外の審査員にとって24℃が妥当かどうかの判断すらできません。アンケートについても10項目だろうが11項目だろうが、申請書の評価においてほとんど影響しないでしょう。
もちろん、明らかな不備は良くありませんが、だからと言って詳しく書けば良いというわけではありません。
具体的に書くポイント
申請書に書くべきことは、申請書の内容をだいたい理解する上で必須のことに限りましょう。分野外の審査員に完璧に理解してもらうことは不可能です。詳しく説明しようとすればスペースを余計に消費しますし、話が複雑になります。なるべくシンプルに、一番主張したいことをメインに説明することが重要です。実験条件の細かいところと大事な主張を同じような詳しさで書こうとするから、ピントが定まらないぼやっとした申請書になってしまうのです。
真に具体的に書くべきポイントは「何をするのか」ではなく「なぜするのか」「何がわかるのか」です。正しい研究対象を正しいゴールに向かって研究している限り、その過程は大した問題ではありません(やや言い過ぎですが、イメージとしてはこんな感じです)。審査員としては、細かなプロセスはわからないので、「きっと専門家である申請者が適切な手法で適切にするのだろう」と判断します。
審査員が評価できるのは、
- そもそもこれは重要な課題だろうか(問題の重要性)
- 研究の方法や明らかにしたいことは、適切で十分なインパクトを持つか(アプローチの適切さ、インパクト)
- 申請者が設定したゴールに対して、この研究計画・申請者の能力で到達可能だろうか(計画とゴールのバランス)
あたりですので、これらを具体的に書く必要があります。