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「研究の独自性」の書き方

研究の独自性と創造性を合わせて「研究の特色」と呼ばれることもありますが、独自性と創造性は明確に区別して書くようにしましょう

これらの内容はあちらこちらで書くことになりますので、書く内容が重複しないよう気をつけてください。
1. 研究の独自性
2. 研究の創造性
3. 研究の位置づけ
4. 研究業績・研究遂行能力
5. 研究環境

研究の独自性とは何か

書かれた研究内容が重要であることと、「あなたが」その研究をうまく遂行できるかは別の話です。なぜ、その研究をするのは他の誰でもなく「あなた」なのでしょうか?この質問に答えることが独自性とは何か?に答えることにつながります。

独自性とはオリジナリティであり、他の人が持っていない(あるいは持っている人が少ない)何かです。たとえば、同年代のライバルが非常に似た内容の研究を提案してきたとしましょう。そのライバルではなく、「あなたの」申請書を採択すべきであると主張する根拠はどれくらいあるでしょうか?

先進性 

・申請者らはすでにXXXについて明らかにしており、……
・申請者らの研究は当該研究分野をこれまでリードしてきた実績があり、XXXに関して豊富な経験(知見)を有している。

これまでにも今回提案する分野で活躍してきた実績がある(業績アピール)、これまの研究の過程で他の研究者が持っていないノウハウや知見、実験材料がそろっている。すでに予備データを持っており、他の競争相手に先んじている、などが独自性として書けるでしょう。

研究を始めたばかりであったり、分野を変えたばかりの場合、自分自身にはそこまでの優位性が無い場合もあります。そうした場合でも、研究室単位では世界に対する優位性を有している場合がありますので、自分が所属する研究室あるいは研究環境(共同研究者が近い、XXXが利用可能であるなど)からくる優位性を書くようにします。

アイデア・技術の独自性

・申請者らはXXX法やYYY法を開発してきたが、これらは全て申請者の発想に基づき独自に開発したものである。
・これまでXXXであると考えられてきたが、申請者はYYYとすることでZZZをよりシンプルに説明できるのではないかと考えた。こうした着想は、AAAとBBBの両方のバックグラウンドを持つ申請者により初めて可能となった。
・動物のXXXという研究に対して植物で近年明らかになったYYYを適用することで、これまでのZZZという問題を回避できると考えられた。
・これまで、XXX研究は主にYYYを対象に行われてきた。申請者らは、ZZZに解析対象を限定する(広げる)ことで、従来の解析では不可能だったAAAを明らかにすることを目指す。

現実問題として、装置や材料、環境に新規性や独自性を持っている人はそれほど多くありませんし、とりわけ目新しい予備データ(知見)も無い場合もあるでしょう。しかし、そうした場合であっても、コンセプトや技術、アイデアなどでオリジナリティをアピールすることはそれほど難しいことではありません。

「XXXの方法により、初めてXXXをXXXできる点で新しい(独自である)」や「XXXをXXXの側面から理解することで、XXXとXXXを結び付けようとする試みはこれまでにはなかったものである」のように、技術やアイデアにあたらしい要素を加えることは比較的簡単です。こうした技術やアイデアの新しさを活かした研究計画を立てても良いですし、今回の研究の中でどの点が新しいのかから考えても良いでしょう。

内容被りに注意

この方向で書く場合、内容の重複には気を付けてください。アイデアの独自性は背景でも説明していますし、着想の経緯として書く内容とも重複しがちです。書けるスペースが限られている学振や科研費などで同じ内容を繰り返して書く余裕はありません。

  • 背景では研究のアイデアを簡単に説明し、独自性の部分で詳しく書く
  • 背景では研究のアイデアを説明し、着想の経緯で技術的な面を書き、独自性の部分では他との比較を中心に書く

など、それぞれの項目が持つ役割を明確にしてから書くようにしてください。漫然と書き始めると同じことを繰り返す羽目になります。

まとめ

研究の独自性とは、あなたが持つ他の研究者に対する優位性です。ですので、独自性を書くときには「XXXである。」でとどめず「XXXであるから、XXXをXXXすることができる。」のように、その独自性が本研究の遂行にどう生かされるのか、どこがどのように有利なのかも併せて書くようにすることで、審査員に対して「あなた」がこの研究をすべきことをより説得できます。

もし、あなた自身やあなたのいる環境に特に優位性が無く、材料や技術、アイデアも特に目新しいものが無いのであれば、独自性には何も書くことがありません。どんなに思い入れがあろうとも、優位性・独自性が無いのであれば他の研究者との競争に勝てる可能性は低いと判断せざるを得ません。テーマの変更あるいは用いる技術、材料の見直しなどを考えるべきだと思います。あなたの得意なところで戦うようにしてください。

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