PREP法は結論を先に述べるタイプの文章構成です。プレゼンテーションやカジュアルな文章、短い文章では効果的です。科研費、学振のようなある程度まとまった文章の場合にはあまり適しません。
文章構造における型のあれこれ
1. PREP法
2. DESC法
3. ABT法
4. SDS法
PREP(Point, Reason, Example, Point)法
PREP法では最初に結論を示し、続けて理由と事例で冒頭の結論を補強し、最後に再び結論を示して追わる文章構成です。以下の理由により申請書には適さないのですが、無理やり研究計画に当てはめてみると以下のようになります。
POINT | まず「本研究ではXXXについて明らかにすることを目的とする」と冒頭で本申請書の結論(目的)を述べます。これにより、読み手に対してこれからの研究計画が何についてなのかの道筋を示します。 |
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REASON | つぎに、「なぜなら、XXXはXXXだからである」と背景を交えつつ、冒頭に述べた計画に至った経緯を説明します。 |
EXAMPLE | ここで申請者がこれまでに行ってきた研究や過去の報告などを交え、「例えば~ということから、XXXをXXXすることが可能だと考えた。」と計画が実現可能であると考えた根拠の具体例を示します。 |
POINT | 最後に「これにより、XXXをXXXすることでXXXが明らかになると期待される」と本研究の意義をまとめて、研究の重要性をアピールします。 |
PREP法は申請書本文には適さない
PREP法では最初に結論を述べることから、読み手(聞き手)は事前に何についての話なのかをある程度知っていることが前提です。たとえば、社内コンペでの新規事業計画等であれば「本社は海外に打って出るべきです」と冒頭で結論を述べることは自然ですし、学会発表等であっても学会の種類、セッション名、演題などから何の話かが分かっているのであれば「私たちはXXXの治療法を確立しました」と話を始めても十分に理解できるでしょう。これは発表者と聴衆の間に何についての話かの共通認識があるからです。
一方で、申請書はどうでしょうか?「本研究目的はアフリカにおけるポケモン普及率を調べることです」といきなり書かれても誰もついていけません。「え、ちょっと待って。何の話?」となるだけです。科研費審査では区分によってある程度、分野ごとに審査が行われているとはいえ、提案される課題は非常に多様であり、背景説明なしに結論から述べてもまず伝わりません。
PREP法は自己アピールでは有効
一方で、申請書において「最初に結論を述べる」ことが有効なケースとして、学振の自己アピール欄があります。ここだと
- 私はXXXな研究者になりたい(結論)
- その理由はXXXである(理由)
- なぜなら、私はXXXだった。XXXをしてきた(事例)
- だから学振に採択してほしい(まとめ)
という議論の流れは極めて自然です。