個別の研究の問題点やアイデア
今回の研究における全体的な背景や解決案の概要については「研究の背景・目的」で説明しましたが、ここでは、具体的な個別の課題における背景とアイデアについて、もう少し詳しく説明します。
(1)高感度質量分析とDNAバーコーディングを組み合わせたXXX法の確立
これまでにもXXXを高感度で行う方法は、申請者がこれまでに開発したDNAバーコーディングによる高感度XXX法を含めいくつか報告されていたが、それらは時間分解能が低く、Hoge1のような不安定な転写因子を解析するには不向きであった。そこで、高感度質量分析法と高感度XXX法を組み合わせることで、従来法の弱点であった時間分解能を約10倍に向上させた、新しいXXX法の開発を行う。申請者らはすでに予備検討を行っており、の結果、XXXすることで、充分なYYYが得られると見積もられた。今後、ZZZを目標にさらに条件検討を進める。
ポイント1:あまり詳しく説明し過ぎない
(1)高感度質量分析とDNAバーコーディングを組み合わせたXXX法の確立
これまでにもXXXを高感度で行う方法は、申請者がこれまでに開発したDNAバーコーディングによる高感度XXX法を含めいくつか報告されていたが、それらは時間分解能が低く、Hoge1のような不安定な転写因子を解析するには不向きであった。そこで、高感度質量分析法と高感度XXX法を組み合わせることで、従来法の弱点であった時間分解能を約10倍に向上させた、新しいXXX法の開発を行う。申請者らはすでに予備検討を行っており、の結果、XXXすることで、充分なYYYが得られると見積もられた。今後、ZZZを目標にさらに条件検討を進める。
研究目的を達成するための具体的な実験計画を書くのですが、審査員が知りたいのは、どのような計画で、何を、どこまで明らかにしようとするのかであり、実験の詳細ではありません。
この例でいくと、
- どのような計画で:高感度質量分析法と高感度XXXを組み合わせることで
- 何を:新しいXXX法を
- どこまで明らかにしようとするのか:従来法の弱点であった時間分解能を約10倍に向上させる
となります。間違っても、
(1)高感度質量分析とDNAバーコーディングを組み合わせたXXX法の確立
・・・不向きであった。そこで、AA-BB型の高感度質量分析法をCC時間・DDmAの条件で行ったのち、EEバッファーにFFを加えた条件で高感度XXX法を組み合わせることで、従来法の弱点であった時間分解能をGG条件において約2倍、HH条件では約10倍にまで向上させた、新しいXXX法の開発を行う。申請者らはすでに・・・
のように過度に具体的に説明しないことが重要です。逆に、研究のゴールについては「約10倍」など具体的な数字を入れておいた方がよいでしょう。単に、「すごい」、「飛躍的」、「これまでにない」、などの言葉だけだと主観的すぎで、説得力に欠けます。
とはいえ、全体としては異分野の審査員にもわかるように、多少の不正確性を許容してでも細かいところは省き、イラストも用いて単純化して説明します。「わかりやすい図の描き方」については後で解説します。
ポイント2:予備データを示す
(1)高感度質量分析とDNAバーコーディングを組み合わせたXXX法の確立
これまでにもXXXを高感度で行う方法は、申請者がこれまでに開発したDNAバーコーディングによる高感度XXX法を含めいくつか報告されていたが、それらは時間分解能が低く、Hoge1のような不安定な転写因子を解析するには不向きであった。そこで、高感度質量分析法と高感度XXX法を組み合わせることで、従来法の弱点であった時間分解能を約10倍に向上させた、新しいXXX法の開発を行う。申請者らはすでに予備検討を行っており、の結果、XXXすることで、充分なYYYが得られると見積もられた。今後、ZZZを目標にさらに条件検討を進める。
予備データを入れることで、提案している解析方法の実現可能性はグッと高まります。「アイデアの具体的な根拠や傍証」でも研究計画全体の実現可能性について、何らかの根拠や証拠を示しましたが、そこの繰り返しにならないように、もう少し具体的に説明します。
まとめ
1.実験の詳細は不要であり、何が問題で、どのようにして、何を解決するのかを示す
2.予備データを示すことで、研究が順調に進んでいることや方向性の正しさを示す