SDS法はPREP法と似て結論を先に述べるタイプの文章構成です。研究計画など短い中でインパクトを出しつつ、具体的なことも書きたい、というような場合に使います。
文章構造における型のあれこれ
1. PREP法
2. DESC法
3. ABT法
4. SDS法
SDS(Summary, Details, Summary)法
SDS法では最初に全体の要点・要約を示し、続けて内容の詳細を示し、最後に再び要点を示して追わる文章構成です。要点が繰り返される形になりますが、同じ文章を繰り返さないように工夫する必要があります。たとえば、研究計画では、以下のようなパターンは考えられます。
SUMMARY | まず「○○○を明らかにするため、…」と冒頭で手短に本研究計画の目的を述べます。これにより、読み手に対してこれからの研究計画が何についてなのかの道筋を示します。 |
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DETAILS | 具体的な研究計画を説明します。研究計画は具体的に書かないと結局何をするのかがわからないのですが、論文のMethodのように書く必要はありません。大まかな方針として何をして、どのような結果を想定し、それをどう扱うのかがわかるように書きます。 |
SUMMARY | 最後に「これにより、○○○に関わる○○○の同定を目指す。」と本研究計画の全体と最終的なゴールをまとめます。 |
SDS法は手短に研究計画の要点を伝えるのに適している
PREP法よりもさらに短い形ですので、ともすれば文章の羅列になってしまいがちな形式であり、PREP法と同様、申請書の本文全体をこの形で書くのには適していません。SDS法が有効であるケースとして研究計画があります。
科研費.comではよほどのことがない限り、研究計画を3つの項目として書くことを推奨しています。せいぜい1.5-2ページ程度の中に3つもの計画を書く必要があることから、物語的に話を進める余裕はありません。SDS法だと
- この研究項目では何を明らかにするのか(Summary)
- 具体的にどうするのか(Details)
- この研究項目により何がどうなると期待されるのか(Summary)
という流れで短い中に研究の意義や目的を強調した形で書くことができるので、有効です。研究計画においてDetailsだけが書かれており、「なぜそれをするのか」、「それをしたらどうなる(と考えている)のか」がさっぱりわからない、という申請書は数多く見受けられます。
ただし、研究計画に関して言えば、2つめの「S」(最後のまとめ)部分は予備データだったり、バックアッププランだったりして、書かれないこともしばしばです。絶対にSDS法で書く!と決めつけてしまうとかえって不自由になりますので、こういうパターンもあり得る、程度の認識で十分です。