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申請書にはストーリーが必要だ

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なぜ申請書はストーリーを必要としているのか

これからの話には種本があります(末尾参照『なぜ科学はストーリーを必要としているのか』)。さて、このタイトルだけ読むと、そんなの知っているよ、という反応が返ってくるかもしれませんが、この本は、かなり本質的な部分を突いており申請書作成にも使える内容満載です。すごくオススメですので、機会があれば読んでみてください。

申請書にはストーリーが必要だ

あなたの好きな映画やドラマを思い浮かべてください。映画なら2時間程度、ドラマなら1時間程度の間なら、あなたは夢中で見続けられるでしょう。一方で退屈なプレゼン、退屈な申請書は10分もすれば眠くなってしまうと思います。この違いはどこにあるのでしょうか?映画やドラマも見るまで内容はわからないので、内容に対する事前の興味の差ではなさそうです。

これらの違いを生み出している決定的な要因こそが「ストーリー(物語)」です。 興味を引くような展開や見せ方、すなわち興味深いストーリーであれば観客の興味を引きますし、何が言いたいのかわからないものであれば、すぐに飽きてしまい集中力は続きません。

研究者は自分が見たまま、考えたままのことをなるべく脚色なくありのまま伝えたいと思っています。そこに勝手に手を加えることは捏造や誇張につながって科学的には正しくないことだからです。しかし、そんなことは本当に可能でしょうか?

えーと、まず今やっていることを終わらせないといけないな… あ、以前に研究していた、あっちの話ともつながりそうだな。でも、そのためにはコレとコレをしないとな。あーでもコレをするためにはアレも必要か。えーと、何を示せば良いんだっけ。あ、そうかそうか、…

こんな申請書はあり得ないと思うかもしれませんが、実際にこれに近い感じの申請書を書いてくる方はいます。以下はかなり実際の例に近いものです。

本研究では、XXXを行う。なぜそれを行うのだろうか?それは、XXXがYYYだからである。ちなみに、YYYというのはZZZのことである。

すべての情報を伝えればいい、というわけではない

私は海外ドラマを見ないので、知ったかぶりで書きますが、「24」というドラマでは主人公の動きが24時間リアルタイムで映され、リアリティがあることで人気だと認識しています。これを理想と考える科学者は多いのではないでしょうか?面白おかしいところだけ切り取るのではなく、ありのままを示すことが客観的で正しい態度だ、と。

しかし、主人公がトイレに行くシーン、意味もなく靴紐を結び直すシーンは放映されているでしょうか?おそらくされていないと思います。なぜなら、このドラマを面白くする上で、また、一番伝えたいメッセージを伝える上で、これらの描写は意味が無いばかりでなく、むしろメッセージを伝えるのに邪魔になるからです。

申請書を書く際にも同じことが言えます。申請書で書かれる文章は全て、計画の妥当性・実現可能性・新規性を導くために存在し、全く関係のない文章は貴重なスペースを消費するだけでなく、申請者の主張をボヤケたものにします。

このように思考を整理して書かないと、読み手だけでなく書き手も結局何を言いたかったのかを見失います。そうした混乱を極力減らし、自然な流れで論を展開するために考え出されたのが起承転結にだいひょうされるような文章校正の「型」でありストーリーなのです。ここでは、代表的な型と申請書におけるその使い方を見ていきます。

ランディ・オルソン (著), 坪子理美 (翻訳)『なぜ科学はストーリーを必要としているのか』です。筆者はハーバード大を卒業後、アメリカでテニュア教授となってから、それを捨てて、ハリウッドへ入った変わった経歴の持ち主です。別でおすすめしている『イシューからはじめよ』もコンサル→神経科学で博士号→コンサルという変わった経歴を持っています。やはり、科学者を経験している人が外から見ると色々と見えてくるのでしょうね。
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