採択されるかどうかは、ほぼ1段階目の書面審査で決まる
採択率と評点分布を見ればわかりますが、採択されるためには複数の審査員の平均ベースで、4段階評価のうち上位2つには入っている必要があります。2段階目の審査はボーダーラインにある申請書の線引きがメインです。そうなると、せいぜい数名の審査員が扱う、それぞれたかだか50件-100件程度の中での競争となります。
大量の申請書を前に、審査員は飽きます。また、指定された比率で評価をつけないといけないことから、どちらかというと減点対象となる箇所を探すことで評点をつけます。ですので、飽きさせず・減点対象とならないようにシンプルかつ明瞭な申請書が望まれるのです。
審査員名簿はチェックしよう
過去の審査員名簿は公開されています。応募しようと考えている区分にどのような審査員がいたかを調べることで、申請書の内容が正しく評価してもらえそうかを事前に判断できます。また、すでに審査員になった人はしばらくあたりませんので、現在の審査員ではないと判断できます。
狙い目の応募先
准教授以上 かつ 研究室を主宰して2年以内
なお、選定に当たっては、多様な人材及び研究機関を支援することに配慮する。
科学研究費助成事業における審査及び評価に関する規程(p8,9)
基盤B+挑戦的研究
重複制限がなく、期待値高めの組み合わせとして有名です。そこそこの実績あるなら、基盤Cに出すよりは期待値高いです。
若手研究
正直、大した額ではありませんが、応募対象者が限られるので、ちゃんと書けばかなりの確率で通ります。科研費の採択歴はアカデミックポジションに応募する際には必ずチェックされるので、額よりも自分が代表の研究費をとった実績が重要です。
民間財団
重複制限もなく(財団同士で採択者情報を共有しているとの噂もあり、過度な重複は厳しいかもしれませんが、普通に1年で4-5件の採択等はありえます)、年間を通して様々なものが募集されています。4月や9月の科研費の結果が出た直後のものは応募が殺到する傾向にありますが、多くの人はすぐに飽きるので年間を通じてコンスタントに出し続ければ一定の割合で当たります。数を打つことが重要です。