コツ9 研究のゴールを明確にする
目的や計画で「XXXを行う」で止まっている人が多い印象ですが、どのような結果が得られれば
この研究は成功した
と言えると考えているのかがわかりません。「XXXを行い、YYYを明らかにする」のように、研究のゴールを示してください。#科研費のコツ pic.twitter.com/aWt60vOlMM
— 科研費.com (@kakenhi_com) February 15, 2022
Before
聞き取り調査により睡眠時間を調べるのは良いとしても、これはいった何のためにやるのでしょうか?この文章の構造は、以下の「ここに穴を掘る」と本質的には変わりません。
「私はここに穴を掘るのだ!」と言われたところで、掘ってどんな良いことがあるのかが示されない限り、納得できません。
ところが多くの場合、以下の例のように、一連の実験(研究・解析)をしたらどうなるかではなく、どうやってするのかを詳しく説明してしまいがちです。
しかし、読まされる(分野外の)審査員にとって各実験の細かい手順はどうでも良い情報です。申請書は論文とは異なりますので、審査員にとって37℃だろうが38℃だろうが、申請書を評価する上では大きな違いはありません。
むしろ、申請者の意図がわからない文章、これをやってどうなるかがわからないまま読まされる文章ほど苦痛なものはありません。
After
太字のように、これらの実験・手順・操作がどのような意味や意義を持つのかを明らかにすることで、申請者の意図はかなり明確になります。
この際に、実際にすることと、この研究で明らかにしようとしていることの間に乖離が無いこと、することそのものを目的にしていなかをチェックする必要があります。たとえば、以下は一見良さそうですが問題があります。
→「こいつは何もわかっていないな」と思わせるタイプの書き方であり、実際にすることに対して、得られるであろうと申請者が考えている結論が過大すぎるタイプです。
→普通であればこんな書き方にはなりませんが、中途半端に推敲し文章をいじると繰り返しになってしまう場合はままあります。読点の前後では日本語の意味が通じてしまうので、意識してチェックしないと見落としてしまいます。