コツ12 研究の独創性とは、新規性ではなく優位性
研究の独創性に苦労する方は非常に多いです。「同じ課題のライバルがいたとして『その人ではなく、あなたが』この研究を遂行するのにふさわしいと言える根拠を教えて下さい。」と考えれば、わかりやすいでしょうか。#科研費のコツ pic.twitter.com/FChIjCX6EN
— 科研費.com (@kakenhi_com) February 18, 2022
独創的とは
独創性とは、オリジナリティ、すなわち申請者ならではの何かです。同じお題に対しても切り口は人それぞれであり、独創性を良しとする基本的な考え方は、
もしこの問題が一般的な方法で解決できるなら、すでに誰かが解決済みであり問題として残されていないはずである。それが問題として残されているのだから、一般的な方法では難しいと予想され、新しい方法(独創的な方法)が必要である。
というものです。ですので、独創性を主張する上で基本となる構文は
しがちなミス
新しいから独創的である
この研究分野・研究手法は独自である
独創性が申請者の手によらないものは、他の人も利用可能であるため独自ではありません。
たとえば、「XXXがんの研究は、XXXにも応用可能であるため独自である」という主張は申請者の研究計画以外に対しても成り立ちます。
同様に「論文に載っていた新しいXXX法は、XXXができるので、それを使う本研究は独自である」という主張も同様であり、申請者以外でも使えるならそこに独自性はありません。
一般に独自性とは、アイデア、これまでの研究成果に基づく予備データ、知見、技術、材料、装置、環境などです。研究室が持つ独自性を書くことも可能ですが、できるだけ申請者自身が持つ独自性で勝負したいところです。
独創性のもう少し高等な書き方
1.過去の研究を一方的に否定せず、過去の研究による到達点を明確にした上で、それでもまだ不十分な点があることを述べる
背景と内容的には通じるものがあります。過去の研究による到達点を明らかにすることは、自分の研究のスタート地点を明らかにすることであり、すなわち、この研究計画の立ち位置を明確にすることにつながります。過去の研究を無視して車輪を再発明しても褒められません。むしろ、過去の研究をしらなかった不勉強さを咎められますので、