コツ23 伝えてからがスタートライン
難しい言葉や概念を振り回しても、申請書に箔がつくわけではありません。わかる人から見ればむしろバカっぽく見えます。伝えてからが勝負です。
うまく伝わらない → 書き方・表現の問題
伝わったが納得してもらえない → 内容の問題#科研費のコツ pic.twitter.com/XS51tHRo4y— 科研費.com (@kakenhi_com) February 28, 2022
申請書が採択されるにはいくつかのステップがあります。
審査員も完璧ではありませんので、読んだ(目を通した)だけで申請者が言いたかったことを完璧に理解できるわけではありません。それが異分野であればなおさらです。
そしてよくわかっていないことに対しては適切な評価はくだせません。
審査員に読んでもらう工夫をする
いろいろな色でハイライトしたり、太字と下線、網掛け、枠囲みなどの装飾を駆使したり、狭い行間でビッシリ書き込んだり…
もし自分以外の人がこのような申請書を持ってきたとして、あなたは本当に読む気になれますか?仕事なので読まざるをえないことと、読みたい(内容を理解しようとする)気になるかは別の話です。どうせ読まなければならないのだから、せめて気持ちよく読めるようなものを出してきて欲しい、というのは審査員の切なる願いです。
ごちゃごちゃしている文章が読みにくいという主張に対してはおそらく多くの人が賛同するはずです。しかし、書きたいという欲が勝るため、どうしても情報過多になりがちになってしまう場合が大多数です。まずはできるだけシンプルに書いてみましょう。余計な装飾は後です。
審査員に理解してもらう工夫をする
いくら美しく仕上がった申請書でも内容が理解できなければ(審査員につたわらなければ)意味がありません。審査員は時間の無い、分野外の研究者ですので、全てを理解してもらうことは最初から諦めてください。80%でも理解してもらえれば十分という姿勢で取り組みましょう。そのためには、
1.多すぎる情報は避ける
2.複雑すぎる情報は避ける
同様の理由で、複雑な情報(理解するのに時間がかかる情報)も審査員の理解を妨げます。例えば、申請書の図に自らの論文の図をそのまま掲載する人がいます。たしかに図を読み解けば申請者の主張は理解できるのかもしれませんが、時間がなく異分野の審査員がそうしてあげる義理はありません、パット見てわからないなら、それでおしまいです。ですので、審査員が理解したくなくてもわかってしまうように図を見せる必要があり、その最適解が論文の図そのままでないのは明らかです。
繰り返しますが、審査員には申請書の内容、申請者の意図を理解したいというモチベーションはありません。そうした中で半ば押し売りのように情報を伝える必要があるのですから、見た目も内容も極力シンプルにして、ひと目で主張がわかるような構成にしないといけません。
基本戦略
申請書作成のキモは、余計な情報を削って削って削り尽くして、もうこれ以上削ると伝わらないというところまで削る作業にあります。ですので、
と3段階のステップを踏むとうまく書きやすいので、おすすめです。