#科研費のコツ68 創造性、予想されるインパクト、将来の見通し

創造性 vs 予想されるインパクト、将来の見通し

これらは似ていますが、予想されるインパクトや将来の見通しは対象範囲が狭く、創造性はもう少し範囲が広いという違いがあります。

予想されるインパクト

この研究が成功し発表されたら、どんな人に(良い)影響を与えるかを問われています。研究のきっかけは「自分が知りたいから」でも構いませんが、研究の価値までを考えるとそれだけでは不十分で、なるべく大勢になるべく大きな良い影響を与える研究の方が評価されます。

たとえば、我が家の庭石の産地の研究が与えられるインパクトの範囲はせいぜいその家に住む人ぐらいで、税金を使ってまでする研究ではありません。

将来の見通し

これは解釈次第では後で述べる創造性と同じような内容で書くこともできますが、多くの方は「将来の見通し」≒「社会に対するインパクト」と解釈して書いています。

たとえば、

この研究が成功すれば、がんの診断が安価かつ正確になるため、医療費の削減につながる。

のような感じの内容です。これはこれで悪くはないのですが、実際にはこの研究が100%成功したとしても、医療費の削減につながるのはかなり先のことです。あまり遠すぎる将来展望は単なる夢物語と紙一重であり、あまり真面目にとりあってもらえませんので、通常はいくら言葉を尽くしてもそれほど審査員に響きません。

創造性

創造性は文字通りの意味では「この研究はいかに創造的であるか」です。ここで言う創造的(創造性)とは

  • 新たな価値を生み出せること
  • 何かに決着をつけて一歩前に踏み出せること

のような意味と解釈してください。つまり、創造的な研究とは、この研究が誰かに対して新たな価値を提供したり、何かに決着をつけたりするような研究です。

そして、その「誰か」は大きく3つに分けて考えると考えやすいでしょう

自分の研究分野の他の研究者

この研究がうまくいった時に、自分の研究分野にどのような影響を与えることができるでしょうか?

研究内容はドンピシャですので、これ以降の研究の進め方や方向性に影響を与える、これまで論争だった問題に決着がつく(あるいは新たな説を提唱する)などが考えられます。

周辺分野の研究者

全く同じ研究分野でなくとも、関連する周辺分野であれば、あなたの研究成果の果実を享受できる人はいるかもしれません。あなたが考える、あなたの研究成果を享受できるのはどんな人・分野でしょうか?

たとえば、この研究で作り上げたデータベースはXXX分野でも活用できる、このアプローチはXXXであっても使える、などが考えられます。

社会の一般の人たち

研究者以外の一般の人たちへの社会還元・社会実装的な話です。さきほどの予想されるインパクトや将来の見通しも含め、この部分の内容を書いてくる人は多いですが、先にも述べたように遠すぎる未来のことをあれこれ言ってもむなしいので、ここは書きすぎないようにしましょう。

研究の価値とは

おもしろい研究テーマの見つけ方にもあるように、

重要な問題 =
・未だ意見が対立しており、決着のついていない問題
・これまでの考え方を根本から見直さないといけない問題
・これからの研究の方向を決定づける問題

こうした重要な問題は、その成果が他の人たちに大きな影響を与えうるという点で重要であり、ここでは「他の人たち」とは具体的に誰であり、どのような影響が与えられるかを具体的に書けば良いのです。

 

タイトルとURLをコピーしました