コツ79 強調の使いすぎに注意
強調とは、本文とは異なる太字等により、黙読の流れを強制的に断ち切って意識をそこに向けさせる行為です。
なので強調が多すぎると
・スムーズに読めず、イライラする
・どれが重要か逆にわからないせいぜい1ページに数カ所に留めるべきです。#科研費のコツ
— 科研費.com (@kakenhi_com) April 26, 2022
そもそも強調とは
6月1日から改正動物愛護管理法が施行され、ペットを販売する業者などに、犬や猫へのマイクロチップの装着が義務付けられました。マイクロチップをなぜ犬や猫に着けるのでしょう?マイクロチップ導入の義務化で何が変わるのかを調べました。
たとえば上記の文章はどうでしょうか?短い文章の中に強調が多用されており、非常に読みづらいです。
強調とは、太字、色、下線、カギカッコ、背景、枠囲み、フォントなどにより、本文とは異なる要素をくわえることで相手の注意を引き、黙読の流れを中断させて視線をそこに集中させることで、内容に意識を向けさせる技術です。
このことから、強調に関する2つの事実が導けます。
多すぎる強調は文章を「読む妨げ」になる
強調とは黙読の流れを中断させる行為ですので、中断させる箇所が多すぎると、審査員は文章をなかなか読み進められずイライラします。
多すぎる強調は文章の「理解の妨げ」になる
強調とは少ないからこそ目立ち、そこに注意を向けてもらえます。あれもこれもと強調してしまうと、何が本当に重要かがかえってわからなくなって、かえって読者を混乱させます。「過ぎたるは及ばざるが如し」。多すぎる強調は避け、真に重要なところだけにとどめましょう。
多すぎる強調で紙面が真っ黒になっている例や、真の強調を示すために強調の強調を用いている例を見かけますが、いずれも読みにくいです。
強調の使い方
1ページあたり2-3箇所が限度
多すぎる強調はかえってその機能を低下させます。1ページあたりせいぜい数か所が限度でしょう。本当に重要なところは何かをしっかりと考えてください。数を限定することでおのずと真に重要なところだけに絞ることができます。
また、申請書前半部は強調が多く、後半になるに連れて強調が減る傾向にあります。強調箇所は申請書が一通り完成した後に、全体のバランスを見ながらつけていきましょう。
強調はできれば1種類、複数種類の場合は意味を持たせる
本文とは異なりさえすればそれは強調の一種です。もっともスタンダードな強調は太字です。次いで下線でしょうか。結構な割合でこれらを組み合わせて強調する方がいます。
しかし、上記の例のようにさまざまな強調を組み合わせて使うと、申請書の統一感が損なわれてしまうだけでなく、非常に読みにくいものとなります。とくにこだわりが無いのであれば太字による強調で十分です。
複数種類の強調が混在すると、読み手としては使い分けの根拠が気になってきます。「太字も下線も同じ強調で使っているのに、なぜこちらは太字で、あちらは下線なのだろう…?なにか違いがあるのだろうか?」。このように審査員に余計なことを考えさせてしまうと、内容への集中度が下がり申請書を十分には評価してもらえません。
もし、強調を使い分ける機会があるとすれば、強調の意味を区別したい場合です。たとえば、太字は事実、下線は申請者の推定を含む、のように意味が異なるのであれば使い分けても良いかもしれませんが、読み手にも使い分けのルールを理解してもらう必要があるので、実際にはかなりハードルは高く、現実的ではありません。