#科研費のコツ81 どこまで明らかにしようとするのか

研究計画は書きやすいところですが、「どこまで明らかにするか」だけは別です。

なぜ「どこまで明らかにするか」を書く必要があるのか

研究計画のうち、何を・どうするはとても書きやすく、ほとんど人が書けています。しかし、それだけで研究計画を評価することはできません。なぜなら、研究計画の難しさと実現可能性が考慮されていないからです。

たとえば、次のような計画は現実的でしょうか?

本研究では、○○○細胞における△△△遺伝子の発現を計測し、世界から□□□病を根絶することを目的とする。

ある病気をたった3年で世界から根絶することは不可能ですし、細胞の遺伝子発現を測るだけで、病気の治療法に至るとも思えません。

学振や科研費は「2-3年の期間のうちに、ここまではちゃんとするから、研究費をください」という申請書です。つまり、「何を」・「どうする」だけでは「どこまで明らかにするか」が不十分ですし、たとえ書かれていたとしても、実際にすることと研究のゴールが乖離していれば現実的ではありません。

ポイント1 現実的な到達点を示す

2-3年という研究期間の制限、おおよその研究費から導かれる研究規模、現在の状況などから、到達できるところは限定されています。立派な研究ゴールを描いたとしても、到達出来なければ絵に描いた餅です。その逆に、誰がやったとしても到達できるような近いゴールであれば、到達しても大きな評価を得ることはできません。

他の人だと到達できないが、自分ならギリギリ到達できるところを見極めて、それを「どこまで明らかにするのか」として書く必要があります。

ポイント2 到達したい研究のゴールと研究内容を合致させる

宇宙の果てに行くことを研究のゴールに設定している人の研究計画が初等教育の教育理論だとしたらどうでしょうか?ゴールとそこに至る手段が一致していないと感じるでしょう。しかし、実際には多くの人がこれと似たような状況になっています。

  • 仮に、研究が100%うまくいったとしても、掲げた研究のゴールにはたどり着けないような研究計画
  • 研究のゴールに至る過程のどの部分に貢献しようとしているのかが不明な研究内容
  • 得られるであろう研究結果から何が言えると考えているのかがわからない研究

のように、「ここまでを明らかにする」と自分で設定した研究ゴールに至る道筋を十分に示せていない研究になっていないか、意識してチェックする必要があります。

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