#科研費のコツ82 独自性ふたたび

独自性に悩む人は少なくありません。そういった方は、まず、独自性が意味するところを正確に理解し、つぎに何についての独自性を問われているのかを明確に意識しましょう。

そもそも独自性とは

ここで言う独自性とは、オリジナリティ、すなわち他の人にはできずあなたにならできることは何か?ということです。

誰もができることであれば、わざわざあなたにお金をつける理由は薄くなります。他の人ならもっと少ない資金で、もっと早く、もっと高いクオリティで研究を進めることが可能かもしれません。替えがいくらでもいる状況ではオリジナリティも何もあったものではありません。

オリジナリティがあるとは、替えが効かず、あなたがもっともこの研究をうまく進めてくれる何かを持っている状態を指します。それを説明してください。

勘違いポイント1 研究分野の重要性を書くパターン

この分野はこんなに重要だから、それを扱う本研究は独自である

たとえば、「がんによる死亡率は非常に高いから、その根本的な治療法を探る本研究には高い独自性がある」といったようなパターンです。

たしかに、がんの死亡率を低下させることは大切でしょう。しかし、それは研究分野の重要性であり、あなたの研究計画のすごさとは関係がありません。これがありならば、がんの研究はすべて重要であることになってしまいます。聞かれていることは、「この研究計画のどこにあなたならではのオリジナリティが発揮されているのですか?」ということです。

勘違いポイント2 なされていないから重要だと主張するパターン

○○○の研究はこれまでに報告がなく、それを明らかにする本研究は独自である

たとえば、「これまで○○○がんに対するアシタバエキスの効果を科学的に検証したものは無いことから、それに挑戦する本研究には高い独自性がある」といったようなパターンです。

すでに研究されていることをやっても仕方がないので、確かに新しいことに挑戦するこの研究は独自(類似したものがない)とは言えます。しかし、研究とは、本来、新しいことに挑戦し新しい知見を得るものですので、新規性を強調したところで他との差別化はできません。

ポイントは単に新しいだけでなく、「重要な課題なのにやられていない研究に取り組むから独自である」と主張することです。重要なのにやられていない研究には2つのパターンがあります。

材料・技術・装置・環境・知見などに独自性があるパターン

問題自体は新しくはないかもしれませんが、他の研究者がすぐには真似できずに残されていた問題に、あなたならではの材料・技術・装置・環境・知見で挑戦できるのであればそれが独自性です。

これまでに、みんなが問題だと思っていること(問題の重要性をみなが認識している)に挑戦できるのですから、研究の独自性は十分にあります。

アイデアに独自性があるパターン

誰もが、新しい技術などを持っているわけではありませんので、実際には、多くの人がアイデアの独自性で勝負することになります。

こうした場合には「これまで問題自体はみんなが気づいていたものの、それにどうアプローチして良いのか誰も思いついていなかった」とか「これまで、これが重要な問題だとは誰も思っていなかった」などがあります。

いずれの場合でも、「なぜそのアイデアならば、これまではうまくいっていなかったことに対して、答えを出せると考えているのか」の根拠を示す必要があります。

それでも迷ったら、こう考える

独自性は迷う人が多いところです。もし、何を書けば良いのかがまだよくわからない場合は、

  • 自分のライバルが、ほぼ同じ研究テーマで申請書を出してきた場合、相手ではなくあなたの研究計画を採用すべきと主張する根拠はどこにあるのでしょうか?
  • これまでになされていないことに挑戦するとあるが、それは単に「過去にも思いつきはされたが、くだらなくて誰もやってこなかった」だけかもしれない。そうではないとなぜ言えるのか

に答えを出すように書いてみてください。

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