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研究課題名の付け方

「研究課題名は申請書の顔であり、こだわるべきだ」という、研究課題名の付け方のコツはあちこちで見かけますが、それが効果があるのかは私にはわかりません。というのも、研究課題名は研究内容によって変わるので比較しにくい上に、短すぎて文章力の差が反映されにくいからです。

個人的には、研究内容を反映してさえいれば無難なものでも構わないと思います。

科研費の具体例については研究課題名の書き方も参考にしてください。

研究課題名の付け方の一般論

(1) 課題名を読むだけで、研究内容がわかるもの

(2) 難しい用語を使わずに、誰もが理解できる言葉で書く

(3) 副題をつける

(4)「 新規」・「革新的」などの煽り文句を入れる

一般的に言われている研究課題名の付け方のコツはこんな感じでしょうか。(1)はその通りですし、(2)はミニマリズムという観点から、大いに賛成します。私自身は(3)や(4)はやったことがありませんので、効果の程はわかりません。

テキストマイニングから見た研究課題名の付け方

そこで、研究課題名の付け方の巧拙があるのかどうかを検証するために、申請書作製のプロと思われる基盤Aの採択者と初心者と思われる若手Bの採択者の研究課題名を比較してみました。基盤Aは2009年度以降の5718課題、若手Bは2015年の5684課題を対象としています。

解析はオンラインの無料テキストマイニング・ツールを提供しているUser Localで行いました。

基盤Aの採択課題名

基盤Aの採択課題名で使われている単語の品詞ごとのランキングです。名詞では当然ながら、「研究」が一番よく使われており、「解明」や「開発」が続いています。動詞では、「用いる」「基づく」、形容詞では「新しい」となっています。

つまり、基盤Aの典型的な課題名は、「新しいXXXを用いたYYYの研究」や「XXXに基づく新しいYYYの開発」といったところでしょうか。とっても普通です。

若手Bの採択課題名

若手Bの採択課題名で使われている単語の品詞ごとのランキングです。

こちらでも、名詞では「研究」が一番よく使われており、「解明」「開発」と続いています。動詞では、「用いる」「基づく」、形容詞では「新しい」となっており、単語および順位は基盤Aと全く同じです。

強いて、違う点を挙げると、名詞の「解析」「新規」が若手Bでは若干多く、動詞の「基づく」が少ないという点でしょうか。

つまり、「新規XXX法を用いたYYYの解析」というタイトルは素人っぽいということなのでしょうか。確かに、私自身も意図的に「・・の解析」という課題名は選ばないようにしています。

「善の研究」はあっても「善の解析」は何だか変です。おそらく、「・・の解析」には数値やデータの解析という意味合いが強く、それ自体は研究手法の一つを指すにすぎないからだと思います。

「新規」が若手Bで多く基盤Aで少ないということは、課題名において新規性のアピールはあまり有効な戦術ではなさそうです。根拠もなく新規だと言われても・・・というところでしょうか。また、「基づく」が若手Bで少ないのは、基づくべき基盤となる研究が無い(少ない)、若手ならではの事情を反映していると言えそうです。

まとめ

・課題名に関して、書き方のコツのようなものはおそらく存在しない。

・シンプルに「新しいXXXを用いたYYYの研究」や「XXXに基づく新しいYYYの開発」で十分。

・課題名における新規性のアピールは、それほど有効な戦術ではないかもしれない。

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